台風と精神と時の部屋

ネットに転がっているような、沖縄あるあるをおもしろ楽しくお伝えする自信はないので、ごく個人的な台風がくるよ、っていうときの普通の日常を綴ってみます。勤務中編です。

 

 

台風接近前

 

「また週末台風ってよー」

「えーまたー?もうやだー」(そんなに興味ない)

「空気読めって感じよね。週真ん中こいやー飲みにいかn」(もっと興味ない)

「実家のお店台風対策すんの、もーめんどくってええ。看板入れたり(別に入れないといけないのはない)伸びすぎてるパパイヤの木切ったり、もーーーおじちゃんもまた呼ばないと〜(おじちゃんは東京すみ)」

 

台風です

「警報はよこいやー、お家帰りたいー」

「ほんとですー、あ、外見回りしてきまーす」(あ、本当にこんなにでっかいのー本気で対策しなきゃー有給とって帰ろうかなー)

「早く帰ってもいいからねー」

「はーい、ありがとうございまーす」(このすきに、溜まってたもんかたずけよ!仕事しよ!ってか先輩たちより早く帰れないしっ!)

 

暴風警報です

「勤務切り上げ、帰ろー」

2秒後「お疲れ様でしたー」(実家の飼ってる猫と、お店にある私の大事なサボテンと植木のことしか興味がない)

 

実家とお店の対策して自分の家に帰ると

 

 

エレベーター浸水のため点検中です

 

 

と張り紙。階数を示す電光掲示板は

 

テ ン ケ ン チ ュ ウ

 

ともじが流れています。

 

 

 

私の両手には、コインランドリーで乾燥機から取り出してきた、かごいっぱいのお洋服、買い物(2日分の食料とお水)、なぜか100均で買ってしまったパキラとチンラジア、(普段夜勤なので、空いてる時間にいけない)会社の道具、勉強道具が握られています。

 

 

あたしん家、5階なんよ。本気なん?

 

 

久々に関西弁をつぶやきます。

 

 

よっしゃ、最近バテたせいにして、いかんかったジム、やっと再開したし、これもう今日の分のジムと思おう。

 

と思って登ります。

 

ロングスカートにふらっとシューズ。

 

まさか、傘なんてさしません。風で飛んでくし、危ない。

 

携帯だけ、ハンカチとカーディガンでぐるぐる巻きにします。

 

 

 

いやー、スカートめくれてパンチらどころか、腹ちらっすわ。

マリリンモンローに勝てるな、と思いながら荷物でどうにか自分の醜い腹を隠そうとしながら登ります。

 

 

いや、もうこんだけ強風域にきて、誰もおらんは、こんな非常階段にいいいいい。

 

とすでに2階で、どーっでもよくなります。

 

 

エレベーターに反射して映る自分がスーパーサイヤ人。なんだ、精神と時の部屋に登る時って、こんな気分だったのか。オラ負けねっぞ。 

 

と思いながら登る登る。

 

両手いったい。久しぶりに声が出るくらいハアハア言ってます。

 

 

3階にたどり着いた時に気がつきました。

 

 

 

点検に来るエレベーターのお兄いさんがイケメンだった件。

 

もうこんな夜、暴風の中誰もおらんとたかをくくって登る登るオラ負けねっぞ。

 

 

4階。

 

 

 

おるやんイケメン。イケメンの背中。

 

 

 

と思って、もう荷物を地面において、スカートめくれないようにきちんと抑えて、髪の毛耳にかけて荷物を持ち直す。

 

あ、オラまだ女の子だっぞ。よかった。

 

無駄な抵抗ってわかってるし、お互いを見やることもできないくらいの強風。

立ってられません。

 

コンバンハー

 

とすれ違うと

 

大丈夫ですか?

 

とのこと。イケメンは心もイケメンなんすね。

 

 

と思いながら、大丈夫ですー

 

と元気よく通りすぎる。

 

 

君は助けがいがない

 

と一瞬おつきあいした人に言われたなあ。

 

と思いながら感じないでいい寂寥感を胸に抱いてお家です。

 

パキラ、チンラジア、アラマンダー、君らずっとおらの友達でいてくれる?

 

と思いながら、鉢に移し替えました。

こんな台風です。

 

そして今は、耳ポワポワ不眠症です。

 

炭酸の飲み物が飲みたいです。

 

でも、また精神と時の部屋行き来すんの、怖いです。

マンション出てすぐの自販機が、東京より遠いです。

 

 

僕は今、炭酸水を持ってきてくれたら相手が老若男女であろうとプロポーズしてしまいそうです。

 

 


冗談抜きで、今までで一番ビビる台風です。

お気をつけて!